退職の記念品の選び方とマナー|相場・相手別おすすめ・贈り方を解説

- 退職記念品は感謝を伝える現物の贈り物で、金券やカタログギフトは税務上の扱いが変わる場合がある。
- 渡すタイミングは退職日の数日前か、送別会・最終日のあいさつ時が定番。
- 退職祝いの相場は民間記事で個人3,000〜10,000円、連名10,000〜30,000円が目安。
- のし紙は紅白蝶結び、表書きは「御礼」や「贈呈」が無難。
- カタログギフトは相手が自分で選べるが、金銭支給と同様とみなされ課税対象になり得る。
退職の記念品とは?贈る意味と基本マナー

退職の記念品とは、これまでの勤務への感謝とねぎらいを込めて、退職する人へ贈る現物の品物です。
金銭や金券ではなく「現物支給」であることが、福利厚生費として扱われる条件の一つとして民間解説で挙げられています。会社として贈る場合は、ここを外すと経理処理が変わってきます。
退職記念品を贈る目的と込める気持ち
目的はシンプルで、長く一緒に働いた相手への「ありがとう」を形にすることです。
私は総務で何度も発注してきましたが、高価さより「相手を思って選んだか」が伝わるかどうかが、後々の満足度を分けると感じています。
渡すタイミングと贈呈の場面
渡すタイミングは、退職が正式決定した後から退職日の数日前、または送別会や最終日のあいさつ時が一般的です。
民間解説でも、送別会や当日のあいさつ時に渡すケースが多いと説明されています。荷物が増える最終日より、少し前の送別会で渡すほうが相手も持ち帰りやすい、というのが私の実感です。
のし紙のかけ方と表書きの書き方
のし紙は紅白の蝶結び(花結び)を使い、表書きは「御礼」「贈呈」「感謝」などが無難です。
蝶結びは「何度あってもよい祝い事」に使う水引です。退職は新しい門出なので、結び切りではなく蝶結びを選びます。下段には贈り主の名前を入れます。
| シーン | 表書きの例 | 水引 |
|---|---|---|
| 定年退職 | 御礼・感謝・贈呈 | 紅白蝶結び |
| 寿退社 | 御祝・寿 | 紅白蝶結び |
| 転職・自己都合 | 御礼・贈呈 | 紅白蝶結び |
記念品にふさわしくない品物とその理由
縁起の悪い意味を持つ品物は避けるのが基本です。
ハンカチは「手巾(てぎれ)」で別れを連想させ、櫛は「苦・死」、刃物は「縁が切れる」とされます。靴下やマットなど「踏みつける物」は目上の方には失礼にあたるため、上司に贈るときは外します。
退職の記念品の金額相場と予算の決め方
退職記念品の予算は、相手との関係性と贈る人数で決めるのが現実的です。

公的に定められた相場はありません。民間記事の目安では、個人で3,000〜10,000円、連名で10,000〜30,000円程度が紹介されています。永年勤続記念品では、勤続10年・20年で3万〜8万円という目安もあります。
贈る相手との関係性別の予算目安
関係が近いほど、また連名の人数が多いほど予算は上がります。
| 贈る相手・形 | 予算の目安 |
|---|---|
| 個人で同僚・部下へ | 3,000〜5,000円 |
| 個人で上司・お世話になった人へ | 5,000〜10,000円 |
| 連名・部署一同で | 10,000〜30,000円 |
複数人・部署一同で贈るときの連名と集金の進め方
連名で贈るなら、先に総額と一人あたりの金額を決めてから集金するとトラブルが起きにくいです。
私の経験では、集金で揉める原因はほぼ「金額が後出し」「集める人が立て替え疲れ」です。最初に幹事が品物と総額を決め、一人あたりを切りのいい額にして、振込やキャッシュレスで集めると会計が透明になります。
- 幹事を1人決め、品物の候補と総額を先に決める。
- 参加人数で割り、一人あたりを切りのいい金額にする。
- 集金は現金より振込・キャッシュレスで記録を残す。
- のしの連名は3名まで、それ以上は「○○部一同」とする。
予算別に見る記念品の選び方
予算帯ごとに、無理なく特別感を出せる品が変わります。
| 予算帯 | 向いている記念品の方向性 |
|---|---|
| 〜3,000円 | 名入れボールペン、上質なタオル、お菓子などのプチギフト |
| 5,000円前後 | ブランドボールペン、グラス、カタログギフト(冊子タイプ) |
| 10,000円以上 | 高級筆記具、ペアグラス、上位コースのカタログギフト+花束 |
失敗しない退職記念品の選び方
選び方の軸は「形に残すか・消えものにするか」と「相手の年代に合うか」の2点です。

カタログギフトのように相手が自分で選べる形は喜ばれやすい一方、会社支給では金銭の支給と同様とみなされ課税対象になり得る、という人事系Q&Aの指摘があります。個人で贈るなら気にしすぎなくて大丈夫ですが、会社名義なら経理に一声かけるのが安全です。
形に残るものを選ぶときのポイント
形に残る品は、日常的に使えて飽きのこないデザインを選ぶのがコツです。
筆記具やフォトフレーム、上質なグラスは定番で外しにくい。ただし趣味の出る家具や置物は好みが分かれるので、相手の好みを把握できているときだけにします。
形に残らない消えものを選ぶ考え方
好みが読めない相手や荷物を増やしたくない相手には、消えものが正解です。
お菓子やコーヒー、上質な食品ギフトなら、もらって困りません。正直、迷ったら消えもの+メッセージカードが一番無難だと私は思っています。
相手の年代に合わせた選び方
年代によって「うれしい品」はかなり変わります。
| 年代 | 向いている記念品の傾向 |
|---|---|
| 20〜30代 | 実用的な革小物、ブランドボールペン、ガジェット周り |
| 40〜50代 | 上質なグラス、高級筆記具、名入れアイテム |
| 定年世代 | セカンドライフ向けの趣味用品、カタログギフト、花束 |
相手別に選ぶ退職記念品のおすすめ

相手の性別と関係性に合わせて品を変えると、満足度が一気に上がります。
競合記事は男性向けに偏りがちですが、女性向けや関係性別のマナーは抜けやすい論点です。ここを厚めに書きます。
男性に贈る退職記念品
男性には、毎日使える上質な実用品が無難で外しません。
| 品物 | 向いている相手 |
|---|---|
| モンブラン PIX ブルー ボールペン | 上司・節目の定年退職 |
| パーカー ソネット 筆記具 | 30代の同僚・部下 |
| ウイスキー&ブランデーのミニボトルセット | お酒好きの相手 |
女性に贈る退職記念品
女性には、見た目の上品さと日常で使える実用性を両立した品が向いています。
上質なグラスやフォトフレーム、香りのよいハンドケア、花のアレンジメントは喜ばれやすい。寿退社なら、新生活で使えるペアアイテムやインテリア小物も候補になります。色は奇抜なものより、長く使える落ち着いた色味を選ぶと失敗しません。
上司・部下・同僚それぞれへの選び方
上司には格式、同僚には親しみ、部下には実用性、と軸を変えます。
| 相手 | 選び方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 上司 | ブランド筆記具など格のある品 | 靴下・マットなど踏みつける物は避ける |
| 同僚 | 好みに寄せた実用品や消えもの | 価格を出しすぎず気を遣わせない |
| 部下 | 名入れ小物や実用ガジェット | 堅すぎない親しみのある品に |
退職理由・シーン別に考える記念品
同じ退職でも、定年・寿退社・転職では「これから」が違うので、贈る品も変えるべきです。

渡すタイミング自体はどのシーンも退職直前が基本ですが、メッセージの言葉づかいは理由で大きく変わります。ここを外すと、せっかくの品も気まずくなります。
定年退職でセカンドライフを応援するギフト
定年退職には、これからの自由な時間を楽しめる品が喜ばれます。
旅行やグルメを選べるカタログギフト、趣味の道具、夫婦で使えるペアグラスなどが好相性。長年の労をねぎらう意味で、花束を添えると場が華やぎます。
寿退社や転職の方へ贈る記念品
寿退社や転職は「祝い」の色が濃いので、新生活で役立つ品を選びます。
寿退社なら新居で使えるインテリアやペア食器、転職なら新しい職場でも使える上質な筆記具や革小物がおすすめ。表書きは寿退社なら「御祝」、転職なら「御礼」が合います。
趣味やこれからを応援する贈り物
相手の趣味が分かっているなら、それに振り切ると印象に残ります。
お酒好きにミニボトルセット、写真好きにフォトフレーム、ガーデニング好きに花のアレンジ。汎用品より、相手の顔が浮かぶ品のほうが、私は確実に喜ばれると考えています。
特別感を演出する記念品とあわせ贈り
特別感を出す近道は「名入れ」と「あわせ贈り」です。

名入れは世界に一つになる一方、納期が読めないのが発注担当としての本音。余裕を持った手配が要ります。
名入れやオーダーメイドのアイテム
名入れは、ボールペン・グラス・革小物など定番の実用品と相性が良いです。
自由に選べるカタログギフト
好みが読めないときの最適解はカタログギフトです。
冊子タイプのグルメ系や、上位コースのセレクトギフトなら、相手が本当に欲しい物を選べます。前述のとおり、会社支給では金銭支給と同様とみなされ課税対象になり得るため、社名義で贈るなら経理に確認を。
花束やプチギフトの組み合わせ
記念品に花束やプチギフトを添えると、贈呈の場が一気に華やぎます。
メインに筆記具やカタログ、サブにバラのアレンジや個包装のお菓子、という組み合わせが定番。花は持ち帰りやすいサイズにすると、相手の負担になりません。
メッセージと贈呈マナーで心を伝える

記念品の価値を最後に決めるのは、添える言葉と渡し方です。
高価な品でも一言もなければ事務的に見える。逆に、手頃な品でも心のこもったメッセージがあれば記憶に残ります。
メッセージカードや寄せ書きの文例
文例は「感謝+具体的な思い出+これからの幸せを願う言葉」で組み立てます。
- 上司へ:「長年のご指導に心より感謝いたします。第二の人生が実り多きものになりますように。」
- 同僚へ:「一緒に働けて本当に楽しかったです。新しい場所でもあなたらしく。」
- 定年退職へ:「長い間、本当にお疲れさまでした。ゆっくり好きな時間をお過ごしください。」
贈呈時のスピーチや言葉のマナー
贈呈のあいさつは、長くせず1〜2分で「感謝・エピソード・はなむけ」の順にまとめます。
忌み言葉は避けます。退職の場で「切れる」「終わる」「最後」を強調しすぎると場がしんみりしすぎる。新しい門出を前向きに送り出す言葉で締めると、受け取る側も笑顔になります。
紙袋や包装など渡し方のマナー
渡すときは紙袋から品物を出し、相手に正面を向けて両手で手渡すのが基本です。
紙袋はあくまで持ち運び用なので、袋ごと渡すのは略式。改まった贈呈なら袋から出して渡し、持ち帰り用に袋も添えると親切です。
通販で記念品を贈るときの注意点とよくある質問
通販で贈るなら、のし・ラッピング対応と配送日を、注文前に必ず確認します。

名入れ品やのし対応は通常より日数がかかります。退職日から逆算して、余裕を持って注文するのが安全です。
配送・ラッピング・のし対応の確認点
確認すべきは「のし対応の可否」「ラッピングの有無」「最短お届け日」「名入れの納期」の4点です。
- のし(紅白蝶結び・表書き指定)に対応しているか。
- ラッピングや手提げ袋が付くか、別料金か。
- 退職日に間に合う最短お届け日を満たせるか。
- 名入れ・オーダー品は通常より納期が長い前提で発注する。
もらった側のお礼状や返礼のマナー
退職祝いへのお返しは必須ではありません。
民間解説でも、退職祝いは「お互いさま」で返礼不要とされる一方、職場の慣例があれば確認が必要と説明されています。お返しをしない場合でも、お礼状や一言の感謝は伝えると印象が良くなります。
退職記念品に関するよくある質問
よくある質問
最後に一つだけ。私が発注担当として一番後悔したのは「品選びより、名入れ・のし・納期の確認を後回しにしたとき」でした。品は迷っても何とかなりますが、間に合わないのだけは取り返しがつきません。日程から逆算して、今日のうちに候補を絞っておくのをおすすめします。
