世界遺産・白神山地の緩衝地帯(バッファー・ゾーン)に隣接する村有林。
この森は、50〜60年ほど前にうえられたスギ林です。
ただし、昨今の林業を取り巻く状況において、手入れはほとんどされず、生育は遅れ気味で、過密状態となっていました。
そこでエコロギフトは、青森県が推進する森づくり活動の一環として、この土地で自然に近い森づくりをサポートしていくことにいたしました。
具体的には、スギ林を間伐し、残った樹木を育てながら、空いた空間に広葉樹を植えていきます。
そして、数十年後、この広葉樹の森は、動物たちをたくさん育み、新緑や紅葉に彩られる森となることでしょう。
白神山地の玄関口 西目屋村
青森県弘前市から車で約30分、白神山地の表玄関に位置するのが西目屋村です。
白神山地の世界遺産核心地域(コア・エリア)は入山が制限されていますが、西目屋村には1981年に県立自然公園に指定された暗門の滝を中心に、誰でも気軽に世界遺産に触れることのできる緩衝地帯(バッファー・ゾーン)が広がっています。
豊富な湯量を誇る3つの天然温泉があり、また、フィッシングやカヌー、山菜・キノコ狩りといった多彩なアウトドアライフを満喫できる環境が整っています。
植樹場所
世界遺産白神山地の北側を東西に横断する青森県道28号(白神ライン)を西目屋村役場から東に向かい、岩木川の支流である平沢川に沿って走る林道を上ったところにある西目屋村村有林で、海抜は約250メートル。世界遺産の白神山地のバッファーゾーンに隣接しています。
なぜここで植樹するの?〜私たちの森づくりと未来のすがた〜
この森は、50〜60年ほど前にうえられたスギ林です。
ただし、昨今の林業を取り巻く状況において、手入れはほとんどされず、生育は遅れ気味で、過密状態となっていました。
まずは間伐を実施し、残ったスギの生育を促進します。残ったスギは、これから植えられる苗木たちを風雪から守ってくれる役割も果たします。
そして、その空いた空間には、もともとその地に育っている広葉樹を主体に7000本を超える植樹を行っていきます。
この苗たちが自力で大きくなっていくには最低3〜4年かかるため、それまでは、下草刈りなどの手入れを行っていきます。
10年もたてば、高い木々はスギ、低い木々はブナやヤマザクラなどの広葉樹の森(針広混交林)となります。そして、その数十年後、スギは伐採され、高木が広葉樹となった森が完成するのです。
エコロギフトは、この森が、動物たちをたくさん育み、新緑や紅葉に彩られる、生態系や環境の保全につながる森となることを願い、活動を続けていきます。
なお、本事業において植樹された木の権利は西目屋村に属します。
エコロギフトは、日本ユネスコ協会連盟が行っている植樹活動をサポートするギフトです。
今回のプロジェクトでは、青森県森林組合連合会のみなさんが、スギの間伐、広葉樹の植樹、そしてその後の森の管理を行ってくださることになっています。
植樹の当日は、呼びかけに応じて集まってくださった地元ボランティアのみなさん、エコロギフトのお客さまも加わり、多くの人が力を合わせて汗を流しました。
「UNESCO憲章の精神にのっとり、民間ユネスコ運動を推進する」ことを目的に、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟は、1948年に全国のユネスコ協会の連 盟体として設立されました。現在では、非政府組織(NGO)として、「世界寺子屋運動」、「世界遺産活動」、「青少年育成」の三つの事業を柱に、多岐にわたる活動を行っています。会員は、構成団体会員(各地ユネスコ協会)・賛助団体会員・個人会員・維持会員からなり、ユネスコ活動を展開しています。日本ユネスコ協会連盟では、各地のユネスコ協会とともに、世界寺子屋運動、世界遺産活動、生涯学習講座、国際交流活動、青少年育成活動、スタディーツアー、留学生交流、国際理解教育の教材製作・配付など、各種の活動に取り組んでいます。
青森県にある14の森林組合とともに、森林の整備・管理から木材の流通、造園や県産家具まで取り扱う「森と木のプロ集団」。
指定管理者として、白神ビジターセンター、青森市森林博物館、青森県立自然ふれあいセンターの管理・運営も行い、地域の発展に寄与しています。
植林実施者 |
社団法人日本ユネスコ協会連盟、青森県森林組合連合会 |
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植林場所 |
青森県中津軽郡西目屋村大字村市字生田295-2 157林班ハ小班 |
総植樹本数 |
7388本(2013年9月現在) |
樹木の種類 |
ブナ・ミズナラ・クリ・イタヤカエデ・オオヤマサクラ・ヤマモミジ・ホオノキ・ハウチワカエデ・トチノキ・ケヤキ・シナノキ・オオ カメノキ・ガマズミ・ムラサキシキブ・マユミ |
事業日程 |
2010年4月 スギの間伐開始 |